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クナッパーツブッシュ☆ベートーヴェン「英雄」

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番、交響曲第7番、「コリオラン」序曲、交響曲第3番「英雄」の4曲を収録したCD2枚組
録音は全てモノラル録音だが、聴きやすいレベルであり問題なし
その中から交響曲第3番変ホ長調「英雄」を・・・

拍手が鳴り止む寸前に、第1楽章の演奏が始まるライブ感がいい。「英雄」の録音は1962年2月と記されているが、当時のクナッパーツブッシュのスタイルがうかがえる貴重な録音。
その第1楽章はゆったりとした足取りで、一音一音をしっかり聴かせるような演奏。テンポが遅いというのではなく、非常に丁寧に音楽を扱っているというイメージである。ウィーン・フィルの美しい響きが優しく包み、クナッパーツブッシュのイメージが変わった。
今まで聴いてきた「英雄」のどの演奏よりも格調が高く、この曲を益々気に入るきっかけにもなりそうである。
第2楽章は葬送行進曲と名付けられているが、これも品格のある完璧な演奏である。悲愴感を前面に出すことなく、管弦楽の美で音楽を酔わせてくれる。「英雄」を聞くと兎角、この第2楽章が暗いためか、途中か聴き終えたところで、聴くことを終わせてしまうこともあるが、このクナの演奏では第2楽章に浸ってしまった。

第3楽章:スケルッオは歯切れ良い変則リズムが一貫して楽章を支配している。それにしても、ホルン三重奏による響きはなかなかの聞き応えのあるところだ。
第4楽章:フィナーレを飾るのに相応しい堂々とした構成は、ベートーヴェン交響曲を聴く醍醐味である。最終楽章の規模を大きく、聞き応えあるものに深化させたのは、この第3交響曲からであるように思える。
この第3番「英雄」以降、最後の第9番「合唱」までの最終楽章は、どれもベートーヴェンの「醍醐味」を味わえるものになった。
by GRFmemory | 2016-06-26 09:55 | ベートーヴェン | Comments(0)

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