ポリーニ ☆ ピアノ・ソナタ 「テンペスト」

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マウリツィオ・ポリーニ(P)によるベートーヴェンのピアノ・ソナタ集(第16番~第20番)の新譜。72才のピアニストが弾くベートーヴェンは、やはり重みがあるというか、何故か説得させられてしまう演奏です。
ポリーニは今までもベートーヴェンのソナタをシリーズ的に録音していますが、どれも柔らかな音色のピアノで録られています。勿論この新譜も同様に、目の前にピアノがあるような響きでなく、ほど良い距離をおいて聞こえてくるような録音です。

その演奏ですが、有名な第17番ニ短調作品31-2「テンペスト」の感想を申し上げますと、長年バックハウス(P)のベートーヴェンに親しんできた耳には、この曲はポリーニと言えども、もう少しクラシックなものにならなかったかと思いました。コントラストの表現が、バックハウスとは違うにのは当然なんでしょうが、やはりドイツ的ではないような気がします。
第1主題の幻想的な楽想の動機が全楽章を支配しているが、その現われ方が今一つ劇的なイメージが薄いように思えるのですが・・・・・第2楽章のアダージョではポリーニらしさである微妙な安らぎと安堵感が思いっきり味わえます。
第3楽章アレグレット、ニ短調 8分の3拍子は激しく速いパッセージで、一挙に洪水が流れ込むように展開しますが、ポリーニはさほどアクセントを強く持たず流れを重視しているようなタッチです。

総じて「テンペスト」については、ポリーニの個性が良く現われた楽曲でした。
このように力みなく弾きこなすとは、さすがポリーニですね。
他のソナタ(第16番、第18番~第20番)は、あまり耳にすることがない曲たちですので、このCDは新鮮な気持ちでピアノの音色を聴くことができました。
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by GRFmemory | 2014-11-23 08:44 | ベートーヴェン | Comments(0)