カテゴリ:シューマン( 10 )

フモレスケ(シューマン)☆ 河村尚子

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収録曲
シューマン 「フモレスケ」変ロ長調Op.20  
ショパン ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58  
シューマン 「献呈」

温もりのあるやさしい語り口でフモレスケは始まった。シューマンの詩的なピアノには欠かせないタッチによる調べです。
しかしこのフモレスケという曲、7つの楽章から構成されてますが、曲想が様々に展開してしまい、なかなかつかみどころのない難しい音楽です。
作曲家の「独り言」にそっと寄り添う感じで、聴くべき曲なのかもしれません。

河村尚子のピアノは、そんなシューマンの気持ち(言葉)を純に伝えてくれるピアニストです。ここまでこの難曲を表現できる人は大変貴重なピアニストです。
このCDもシューマン・ファンにとっては名盤といえるでしょう。

そして最後の「献呈」は短い曲ですが、非常にダイナミックに、そして感動的に弾いてくれてます。
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by GRFmemory | 2016-05-29 08:45 | シューマン | Comments(0)

シューマン Vn・ソナタ ☆ フェラス

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シューマン  ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調 作品106、3つのロマンス 作品94、ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調 作品121
クリスチャン・フェラス(Vn)  ピエール・バルビゼ(P) 1965年5月録音

実に生々しいフェラスのヴァイオリン。特筆すべきはソナタ第2番の第3楽章、甘味なメロディを奏でるVnが目の前に現れるのです。それにそっと寄り添うピアノの伴奏も、見事な語り口で応えてます。と思いきや、激しく打ち消す気性の荒い側面も見せ、この頃のシューマンの精神状態が音楽に現れた瞬間だと思います。
しかし、最後はヴァイオリンの美しい旋律で曲(第3楽章)は閉じられます。

ソナタの他に「3つロマンス」も収録されてます。この曲は色々な楽器で演奏される曲で、オーボエなどでも耳にします。フェラスはここでは甘さに流されず、あまり感傷的な演奏はしてません。その抑制した歌い方がまた魅力のひとつでもあります。
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by GRFmemory | 2016-02-11 08:45 | シューマン | Comments(0)

シューマン ピアノ協奏曲 ☆ ブレンデル

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作品名ブレンデルのシューマン
シューマン ピアノ協奏曲作品54
アルフレッド・ブレンデル(P)
クラウディオ・アバド(指揮)
ロンドン交響楽団

シューマンといえば「謝肉祭」「クライスレリアーナ」「子供の情景」などのピアノ独奏曲に人気が集まりますが、唯一のピアノ協奏曲をブレンデルとアバドのコンビのLPで聴くとしよう。
まず感じるのは、ブレンデルのピアノが優しく包み込むような温かい音で表現していることです。
第1楽章は結構激しいイメージがあります。ややもすると、攻撃的に聞こえてしまうものもあります。しかし、ブレンデルの弾くピアノは、抑制の効いた品のある仕上がりになってます。
第2楽章は詩的な楽章で、ここでは単音が美しく、訴えかけてくる語り口はロマン的で、それに応えるアバドの指揮も見事に調和し、幸せな気分にさせてくれました。第3楽章へは2楽章から休みなくそのまま入ります。フィナーレに相応しく堂々とした作りですが、第1楽章などと比べると、構成が単純であり少々残念な楽章でもあります。


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by grfmemory | 2015-03-07 13:11 | シューマン | Comments(0)

シューマン☆「春」

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作品名交響曲第1番
アーティスト名ヘルベルト・フォン・カラヤン
このシューマンの交響曲の魅力は、なんと言っても、この躍動感と何かが迫ってくるような焦りと緊張感だ!
そしてこの交響曲には、シューマンが楽章毎に標題を付けている。

①春のおとずれ
②たそがれ
③楽しいあそび
④たけなわの春

そんな訳で、第1楽章は春がやって来ることへの、慶びや自然への感謝、恐れなど、様々な要素が凝縮されている。
第2楽章は美しい大自然の息吹を感じながら、夢心地な気分で幸せ満喫している。
第3楽章は前楽章から切れ目なく入り、リズムも3/4拍子に変わり、また躍動感が戻ってくる。かなり説得力のあるこの音楽の言葉に、何故か同調してしまう。
第4楽章は最後を飾るに相応しく、総括的に音楽をまとめており、規模もひと回り大きく感じられる。
最後にシューマンのこの音楽は、「春」を題材にして、新しくこれから起きる事への期待と不安、そしてやはり人間の生命力を歌い上げたものだろう。




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by grfmemory | 2014-08-16 08:20 | シューマン | Comments(2)

マルガリータ(P)☆シューマン ピアノ協奏曲

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マルガリータ・ヘーエンリーダー(P) ファビオ・ルイージ(指揮) ウィーン交響楽団
・モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
・ショパン ドン・ジョバンニの「お手をどうぞ」による変奏曲 作品2
・シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 

モーツァルト、ショパンそしてシューマンの組合せ。ルイージ指揮のモーツァルトは如何なものかと、またショパンの変奏曲やシューマンも興味深い楽曲だ。

先ずは1曲目のモーツァルトから。モーツァルト最高傑作のピアノ協奏曲は、この第23番だと勝手に好んでいる。中でもカール・ベーム&マウリッオ・ポリーニ(P)盤が優雅で弦のしなやかな響きといい、ピアノの音色といい、甘い香りのする名盤がある。
さて、ルイージのモーツァルトは・・・  どことなくしっくりこない!?
モーツァルト特有の「頭の上にメロディが流麗に流れる」イメージが届いて来ない、停止状態?堅苦しい演奏である。また、オーケストラとピアノのバランス(定位)が不自然に聞こえるのは何故だろう。ピアノのマルガリータの音も何故か表情が硬い。

2曲目のショパンの変奏曲は珍しく、初めて耳にした曲である。主題を変奏していく過程が実に心地よい。ここではピアノのバランスは改善されている。不思議だ!

最後の3曲目はシューマン! 第1楽章の1音から、最初のモーツァルトとは違う躍動感が感じられた。
このCDのメインはこれだな! ウィーン交響楽団も息を吹きかえしたように、しなやかでリラックスした演奏を聴かせてくれている。マルガリータ(P)との対話も、うっとりするくらい感情豊かに変わっている。特に第2楽章から終楽章は真剣に聴き入ってしまった。
シューマンのピアノ音楽の素晴らしさを再発見させてくれたようだ。
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by GRFmemory | 2014-05-25 16:22 | シューマン | Comments(4)

シューマン チェロ協奏曲イ短調OP129

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チェロ奏者 ムスチスラフ・ロストロポーヴィチのチェロは表情がすこぶる細やかで、演奏を聴いているというより、歌を聴いているようだ。ジャクリーヌ・デュ・プレ(女性チェロ奏者)とバレンボイム(指揮)の同曲も、豊かなチェロの音色に魅せられて良く聴くレコードだが、それは演奏を楽しんで聞いていることに気付いた。ロストロポーヴィチのレコードはモノラル盤であるがゆえに、ソロのチェロをしっかり捉えて聞こえるからなのだろうか。

シューマンのチェロ協奏曲は室内楽的な要素が強く、オーケストラをバックに独奏を魅せつけるようなものではない。語りかけるような詩情表現がチェロには求められているから、むしろ小規模で演奏した方がこの作品にはに合っているように思える。

シューマン作曲 チェロ協奏曲イ短調 作品129 
ムスチスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
サムエル・サモスード指揮 モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
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by GRFmemory | 2014-02-11 08:57 | シューマン | Comments(0)

グリンゴルツ弦楽四重奏団

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 Ilya Gringolts(イリヤ・グリンゴルツ) ロシアのサンクトペテルブルク生まれのバイオリニスト。5歳の頃からヴァイオリンを習いはじめ、11歳にしてヴィヴァルディの「四季」でデビューという天才バイオリニスト。
そんなグリンゴルツが第1ヴァイオリンを受け持つ、グリンゴルツ弦楽四重奏団によるシューマンの弦楽四重奏曲(全曲)とピアノ五重奏曲変ホ長調作品44のCD(2枚組)を聴いた。

まず弦楽四重奏曲の第1番から第3番までの3曲であるが、どれも情感たっぷりに豊かな音色で聴かせてくれた。シューマン特有の内向的な部分と、発散するダイナミックな感情を巧みに表現し、起伏のある演奏は音楽に生命力を与え躍動的でもある。
シューマンをこれほどまで魅力的に、そして聴きやすく仕上げた演奏は、多くの人に受け入れてもらえそうな予感がする。

そして次にピアノ五重奏曲変ホ長調作品44。こちらはシューマンの室内楽の中でも比較的取り上げられるポピュラーな曲である。この曲、第1楽章は荒々しい入り方をするので、統制がとれない五重奏だと、かなり聞きにくい乱暴なものになりかねない難しい曲である。しかしグリンゴルツ弦楽四重奏団とピアノを担当するペーター・ラウルの五重奏団は互いに寄り添うような、幾分抑えたもののように聴こえる。

シューマンの音楽は感情表現が複雑な分、作品を仕上げるにはかなりの難しさが付きまとうと思うが、このグリンゴルツ率いる四重奏団は安定感のある雰囲気が最後まで持続されていた。
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by GRFmemory | 2013-04-20 11:55 | シューマン | Comments(0)

シューマン 交響曲第4番 クレンペラー

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 シューマン作曲 交響曲第4番ニ短調 作品120
 オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団

 
 この交響曲は1841年に作曲されており、本来は交響曲第2番として
 位置づけらたのかもしれないが、初演ではあまり人気はなく出版は保留。
 その後約10年後にシューマンが改訂して、作品120として再出版したもの
 である。
 交響曲は通常4つの楽章から成っているが、この曲は切れ目なく演奏
 される。しかし4つの楽章は非常に関連付けられており、独立性を保ちながらも流れるように終楽章まで一気に聴かせてくれるのである。

今日はオットー・クレンペラー指揮のCDで鑑賞している。シューマンの交響曲はあまり人気がないように聞くが、そんなにも評価が落ちるものではない。
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クレンペラーの演奏はテンポをしっかり刻み、力強く展開させており、シューマンをドイツ・ロマン派の中道を行く音楽として、メンデルスゾーンやブラームなどにも引けをとらない聴きごたえのある音楽に仕上げている。

3~4年前に発売されたリッカルド・シャイー指揮のシューマン交響曲全集は、マーラーが編曲した版で聴かせてくれているが、クレンペラー盤と比べるとかなりスリムでライト感覚なものになっている。つまり、フットワークが良くて、コントラストも与えており、かなり現代的な音楽に変化している。
しかし、やはり永遠の名演奏となると、私はクレンペラーのような古典的なシューマンの方に軍配を与えたい。
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by GRFmemory | 2013-02-03 13:30 | シューマン | Trackback | Comments(4)

コルトー ☆ シューマン作曲 「謝肉祭」

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シューマンのピアノ曲を本気で聴きだすきっかけとなった曲は、「謝肉祭」を知ってからです。
標題のついた小曲を20曲で綴った約25分程度のピアノ曲集です。
様々なピアニストの「謝肉祭」を聴いてきましたが、やはりアルフレッド・コルトー(1877-1962)のモノラル・レコード盤で聴くのが最高である。
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コルトー自身の解釈が強調される部分は、かなり曲を面白くしていて、あっという間の25分である。
シューマンの初期のピアノ曲はどれも詩的であり、言葉を音に託して表現されているので、それを弾くピアニストは、表現力と説得力の持ち主でないと真のシューマンは伝わらないのである。
そうなるとコルトーはやはり、不滅のピアニストである。
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by GRFmemory | 2012-12-15 08:25 | シューマン | Trackback | Comments(4)

duo

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                  エレーヌ・グリモー(P) & ソル・ガベッタ(VC)

        収録曲 : シューマン   幻想小曲集 作品73 
               ブラームス   ピアノとチェロのためのソナタ第1番ホ短調 作品38
               ドビュッシー  チェロとピアノのためのソナタ ニ短調
               ショスタコーヴィッチ     〃          ニ短調 作品40

シューマンの室内楽のなかでも代表的な「幻想小曲集」作品73は、やや陰影を含んだ詩的な楽曲。
この曲は演奏する奏者によって、かなり雰囲気も変わってしまうナイーヴなシューマンらしい音楽です。
グリモーとガベッタのデュオは、互いにこの曲のツボを押さえた完成されたものとなっている。
もちろん女性的な仕上がりではあるが、そこには二人のソリストとしての情熱も伝わってくる。ガベッタのチェロは、シューマンでは流麗な音色を聴かせてくれている。

続く2曲目はブラームスのソナタである。
こちらはシューマンとは違って、低音域のチェロがじっくり楽しめる。
ブラームスのチェロ・ソナタも影のある美しい旋律の曲であるが、このCDジャケットの写真の二人の表情からはだいぶ乖離したイメージがブラームスなんだと思うが。
しかし、ブラームスでのデュオでは、何かから解放されたような安堵な心が伝わってくる。

暖房の効いた暖かい部屋で、珈琲を片手にじっくり聴いていると、「寒くなるとブラームスはいいな」と苦笑いをしてしまう。この二人もそう話しているのかも知れない。
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by GRFmemory | 2012-11-23 12:39 | シューマン | Trackback | Comments(4)