2013年 08月 11日
パーヴォ・ヤルヴィ☆ブルックナーNo5
随所にピッツィカートが導入され、幻想的でメロディは孤独、内省的な交響曲第5番。
ヤルヴィのブルックナーはこの他にもCDで聴けるが、私はこの第5番がヤルヴィ初のブルックナーである。彼の父はネーメ・ヤルヴィという指揮者であるが、ネーメが指揮したブルックナーは私は知らない。
さてヤルヴィのブルックナーであるが、オケはフランクフルト放送響によるもので、スケールの大きな演奏は余裕の響きを満喫することができる。特に管楽器は安定しており、ブルックナーを聴く上で最も肝心な音程は見事である。
ヤルヴィが46歳頃の演奏だからなのか、テンポは幾分早めではある。しかし、それによってこの曲を損ねることはない。それはどっしりと腰を据え、自信を持って臨んだ演奏だからであろう。
人気の第4番「ロマンティック」と第7番に挟まれた位置の第5番は、ブルックナー・ファンにとっては大事な宝石のような存在であるが、実はどんな指揮者が振っても巧く聴かせてくれる曲でもある。
それはメロディが優しく心に沁み入るような美しさを持っているからだと思う。
壮大にそして緻密に組み立てられた終楽章(第4楽章)では、ブルックナーの音響芸術に圧倒され、この交響曲の魅力にとり憑かれることになるでしょう。
by GRFmemory
| 2013-08-11 11:05
| ブルックナー
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